ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

泥の河

 先日亡くなった田村高廣が自分の中ではこれが代表作だとした作品らしい。
 舞台は昭和30年代の大阪で、子役はオーディションで選ばれたとか。そのせいか、けっしてかわいいって印象ではないけれど、生のナニワっ子の印象が強く感じられてよい。登場する町並みは、自分が生まれた頃にはもう無かった風景ではあるが、なんだか懐かしさを覚える。ただ、主人公の子供の友達は河川生活者で、その母親はずっと船にいて客を取っていたり、暗い側面も描かれている。気まずい感じの中、去っていく船をずっと追いかけるラストシーンはしっとりと「ああ、いい映画を見たなぁ」と思わせた。
 原作(宮本輝の小説)既読の母曰く、原作よりもよくできた映画。