宇宙から飛来した地球外生命体の植物駆除を行うボランティア・リタ。ある日、植物が活性化して中から異形の生物が現れ、作業していたボランティアたちが犠牲になる。リタも一度は死んだはずだったが、目を覚ますとその日の朝に戻っていた。やがてリタは世界が同じ1日をループしていることを理解し、同じくループしているケイジの助けを借りて、異形との戦いに挑む。
原作は桜坂洋の小説で、2014年にトム・クルーズ主演で映画化されているが、設定は両作品と変えてある。
ビジュアル公開時は「なんだあの絵は」とかなり強めにぶっ叩かれていたのは間違いないが、さすがはSTUDIO 4℃、アニメーションになるとそういうのがまったく気にならなくなり、むしろバリバリ動いて爽快ですらある。何をやっても勝てないのではないかという閉塞感からの打開、そして新たに降りかかる問題、さらなる解決……ビターエンドでも希望がある。
リタ役・見上愛は声優初挑戦、うまし。面倒見のいい仲間のレイチェル役にヒコロヒーがよくハマり、同じくボランティア仲間のヨナヴァル役にもう中学生。もう中、確かに本職ではないなぐらいの演技ではあるが、気のいいあんちゃんな感じはよく出てて、悪くないキャスティング。
この本を盗む者は
著名な書籍蒐集家・御倉嘉市の遺した巨大書庫・御倉館の収蔵書籍には、御倉家以外の者が触れると発動する呪いが仕掛けられていた。嘉市の曾孫で本嫌いの深冬は、発動した呪いによって変わってしまった町や巻き込まれた人々を救うため、謎の少女・真白の助けを借りながら物語の世界を旅していく。
原作未読。予告編に、深冬が白い獣(=真白)に乗りながら電車をかわしていくアクションシーンが含まれていたので、多少のファンタジー要素があることはわかっていたが、ここまで徹底的にファンタジーするとは思っていなかった。それぞれの作品の世界をもっとじっくり見たくなるが、尺的にも展開的にもほどよくまとめて着地している。
深冬役・片岡凜と真白役・田牧そらは声優初挑戦。ドラマなどでの活躍も多い2人ということもあり、本職声優と遜色ない芝居をしていた。むしろ、めちゃうまレベルなので、もっといろいろ出てくれェ。
迷宮のしおり
親友の希星(きらら)と撮った画をきっかけにして、女子高生・前澤栞はスマホの中の迷宮世界に囚われてしまう。本物の栞と入れ替わるように、現実世界にはもうひとりの栞「SHIORI@REVOLUTION」が出現し、「1億いいね」獲得を目指してアイドル的な人気を集めていく。栞は迷宮世界で出会ったウサギのスタンプ・小森や、スマホで連絡の取れるクラスメート・山田の助けを借り、SHIORIを止めるため迷宮からの脱出を目指す。
『マクロス』『アクエリオン』で有名な河森正治監督による「初のオリジナル長編アニメーション」。マクロスは映画やってるけど、TVシリーズが前にあるからオリジナル長編ではない扱いか。
まさに現代というテーマと向き合った作品だが、基本的に現実じゃない迷宮世界で進行するので、こう……理解の難しい悪夢をずっと見せられているような気持ち。でも、この居心地の悪さが河森監督の狙い通りだと思うので、じゃあしょうがねえかとしかいいようがなく。
キャストは栞&SHIORI役が「新しい学校のリーダーズ」SUZUKA、小森役がネプチューン・原田泰造、希星役が伊東蒼、山田役が齋藤潤、架神役がtimelesz・寺西拓人。オリジナル企画は集客が難しいのでキャストのファンの方々見に来て~にする製作側の仕掛けそのものは理解するが……うん。いろいろ飲み込むぜこれは。「新しい学校のリーダーズ」はED曲「Sailor, Sail On」歌唱もしていて、こっちはわりとよさげに思うので、もっと栞(&SHIORI)が作中でばんばか歌うような役であればよかったんじゃないですかね。SUZUKAさんは声がハスキー寄りで、こう……技量の足りない小林ゆう感が。翻って、鍛錬すればジェネリック小林ゆうになれる可能性は秘めてるかもしれん。
シャドウズ・エッジ(捕風追影)
監視カメラ映像すら書き換えて警察を翻弄するサイバー犯罪集団が暗躍し、香港警察はかつて追跡のエキスパートだった黄徳忠に頼ることになる。黄は監視カメラの普及で廃止された追跡班を再編し、新旧の技を組み合わせて犯罪に指名手配犯・“影”が関与していることを突き止める。さらなる追跡で黄らは身分を偽り“影”への接触に成功するが、“影”は警察による接触であることを見抜き逆に罠を仕掛けていた。
黄徳忠役がジャッキー・チェン、“影”傅隆生役がレオン・カーフェイという香港スター共演作。2007年の香港映画『天使の眼、野獣の街』のリメイク作で、カーフェイは香港版で“影”に相当する陳重山を担当。オファーに対して「再演はしない」と断ったが、ラリー・ヤン監督が「再演にはならない役にする」と説得して三顧の礼で迎えたとのこと。2013年には韓国で『監視者たち』としてリメイクされていて、その韓国版の要素も拾いつつアレンジされているらしいので、ぜひそちらも見たい。
すでに一線のアクション俳優ではなく、アクションもやる俳優に退いたジャッキー。実際、“影”の子どもたちが見せたアクションのスピードに比べて加齢は否めないのだが、レオン・カーフェイとともに年寄りならではの見せ方があって、とても味わい深い。ジャッキー、出続けるならこういう路線の方に出てほしい。
スチームボーイ
原案・監督:大友克洋、2004年公開作品。
祖父から「スチームボール」を送られたことをきっかけに、少年・レイは蒸気機関を巡る争いに巻き込まれていく。
ド真ん中のジュブナイルで激アツなんだけれど、制作期間が長くてコストがかかっているため、興行成績はそれなりだがリクープはしてない感じ。キャストは俳優中心だが、レイ役の鈴木杏とスカーレット役の小西真奈美、声の仕事ほとんどやってないけど、めちゃくちゃうまくないか。
レイの心情に沿った作画なのか、キャラクターの成長が反映されているのか、あるいは見ている側の移入度合なのか、スカーレットはレイと顔を合わせたばかりのときはあまりかわいくないのに、万博会場での接近などを経てどんどん美少女化していき完全にヒロインになっていくの、すごくいい。安直にレイとくっつくわけじゃなく、でもレイとの出会いは確実にスカーレットを成長させていて、たぶんアレ、スカーレット号で大西洋横断とかしてるんやろなって。あと、兵器売り込みに注力しつつもお嬢様のことはずっと気にかけていて、スカーレット号のそばにもいるサイモンとか。
当時はPS2でゲームも出てて、ベストエンディングはスチーム城が崩れることなく着陸し、エディとも和解する形らしい。ムービーとしては、スチーム城前からレイとスカーレットが2人乗りの飛行機械で飛び上がり、城を見下ろす終わりで、このカットはまたスカーレットが美少女なんだ。すっげえいい。
らんま1/2(令和版) #24 がんばれムース
放水攻撃はただの水だったので難を逃れたあかねは、シャンプーに歯牙にもかけられないムースを哀れみ、乱馬にわざと負けるよう助言する。しかし、その作戦を見抜いたシャンプーはムースに役立たずの武器を渡して負けるように仕向ける。
平成版「#32 対決ムース!負けるが勝ち」に相当。内容はほぼ同じなのだが、猫飯店でシャンプーにおちょくられるムースに対するやりとりが微妙に違う。
平成版は乱馬の「思ったより幸せそうじゃねえか、ムースの野郎」にあかねが「ふーん、そうかしら……」と応じ、シャンプーが「べーっだ」と舌を出してハート型のアイリスアウトになりEND。
令和版では乱馬の「思ったより幸せそうじゃねえか、ムース」にあかねが「そうかしら」と応じたあと(でも、確かにどんな形でも好きな人の側にいられるのって幸せよね)と心の声があり、乱馬が「ん?どうした?」と尋ねると「なんでもない、ほら行くよ」と乱馬を引っ張っていく展開があって、あかねの乱馬のことを強く意識しているやりとりが追加されている。あと、たぶん現時点で続編は未定なので、花束を持ってきた九能にらんま&あかねのWキックで暗転している。
総じて、原作をほどよくアニメ化しているリメイクシリーズだという印象だけれど、もう前半部分はいいから、オリジナルキャストの大半が揃ううちに「完結編」を作ってくれという思いが強い。令和版放送に合わせて平成版も見返したところ、思っていた以上にアニオリエピソードもアニオリ展開も入れて驚いたものの、アニオリがすべて悪というほどではない良アレンジもあったので、あとは平成版で使わなかったところだけ映像化するということでいいんじゃないですかね……。
アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ(Avatar: Fire and Ash)
2009年公開の「アバター」、2022年公開の「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」に続くシリーズ3作目。
サリー一家のもとに、かつてエイワに見捨てられたという思いを抱くヴァランに率いられたアッシュ族がクオリッチ大佐と手を組んで現れた。ジェイクはみたび伝説の戦士「トルーク・マクト」として立ち上がり、クオリッチとの戦いに挑む。
1作目が森の部族・オマティカヤ族中心、2作目が海の部族・メトカイナ族中心だったので、3作目は空の部族か、いやすでに空戦やってるしな……と思ったら、ヴィラン側かー。味方でも他部族来てたけれど、オマティカヤやメトカイナと似たような暮らしをしてそうな部族だったので、大きく違うのはアッシュ族だけだった。そういう点でも、前2作と大きく差別化できていたとはあまり感じられない。絵面もわりと似てしまった感じ。
正直、2作目の時点で感じた「特別な映画ではなくなった」感は引き続きあるのだが、惑星パンドラの暮らしをわりと丁寧に描いてくれているので、ぼんやりと「これならナヴィ各部族は暮らしていけてそう」という納得感がある。絵空事なのに地に足が着いてる部分があるので嫌いになれないというか、そういう部分はむしろ好き。
一方でジェイク奪還のために単身乗り込んできたネイティリと、トゥルクン虐殺を見てRDAの方針についていけなくなった海洋生物学者と、クオリッチのドッグタグを使って脱出に成功したスパイダーと、3人がそれぞれ示し合わせたわけでもないのに歯車がかみ合ってジェイク救出につながる組み立ては、もう狂おしいほどに好き。……ほぼほぼ好きでは?
あっ、ジェイクも嫌いじゃないのだが、なんかもう不死身化している感じがあって、そのあたりにスパイダーへの親子の情に悩んだりするクオリッチの方に魅力を感じてしまう。正直、前回生き残ったので「またかよ」ではあるのだが、これでジェイクの前にクオリッチが立ちはだかってこなかったら面白くないところまで来ている。今回のも生き残ってて欲しい。ぽっと出のヴィランごときで「不死身のジェイク」を倒せるわけがない。
らんま1/2(令和版) #23 さらわれたあかね
乱馬への復讐のためあかねを狙うムースが、あかねの代わりに豚のぬいぐるみを連れ去った。ぬいぐるみ奪還のため、乱馬はムースを追う。
改めてあかねを人質にしたムースが鴨子溺泉による放水攻撃を行い、あかねが放水に巻き込まれてしまったところで引き。前後編で引くならここしかないからね。
ムースは乱馬に匹敵する力を持つはずなのだが、そのド近眼ゆえに実力を100%発揮する機会はほぼなくて、敵役としてこれ以上ないぐらいに魅力にあふれている。
なお、平成版も「#31 さらわれたあかね」と同タイトルで、展開も引きの位置もほぼ同じ。
らんま1/2(令和版) #22 ジュリエットゲーム
演劇部の依頼を受け「ロミオとジュリエット」のジュリエット役を引き受けたあかねだが、ロミオ役に九能・八宝斉・五寸釘が名乗りをあげて波乱の気配。さらに、優勝賞品「豪華中国旅行ご招待」に釣られた乱馬もロミオ役に参戦する。
平成版「#39 あかねの口びるを奪え」と同エピソードで、原作通りに五寸釘が登場。
中国人・旅行さんご招待の誤解だったところで、平成版は演劇部部長をはじめとした学生たちもみんな赤ら顔だったが、さすがに未成年飲酒を彷彿させるような見せ方にならないよう修正されていた。
アイドリッシュセブン First BEAT! 劇場総集編 後編
テレビアニメ第1期の第9話~第17話部分の総集編。前編は「ほとんどつないだだけじゃない?」って印象だったが、さすがに後半はかなりばっさりと取捨選択されていた。しかし、後編部分はゼロアリーナのところで仲直りかかるまで(=16話)、総じて凹まされエピソードが続くので、連続で浴びるにはちょっとしんどいっす。まあ、そこからジャパンアイドルミュージックアワードの新人賞受賞から「ブラック・オア・ホワイト」でのTRIGGER決戦へなだれ込むので、非常に盛り上がるんですけどね。
4期が決まったのは聞いたけど、2期(Second BEAT!)と3期(Third BEAT!)の劇場版はやらんのかな。3期は30話もあるので、前後編じゃ無理だろうと思うけれど。
らんま1/2(令和版) #21 完璧なラブレター
乱馬の許嫁として邪魔なあかねを排除すべく、良牙とくっつけようと画策する右京は、良牙からに見せかけたお好み焼きのラブレターを送りつける。しかし末尾を八宝斉に食べられてしまい、あかねは果たし状が届いたと誤認してお好み焼き屋を訪れる。一方、乱馬は女装して「良牙の許嫁」を装い、2人のデートを妨害する。
乱馬側の相手が増えてあかねがやきもちを焼くパターンが多かったところへ、今回は逆転の乱馬がやきもちを焼くパターン。微笑ましいエピソードなのだが、果たし状に釣られたあかねを「のこのこ出ていく尻軽」呼ばわりした点は、よくあかねは言い合い程度で許してるなと思う。照れ隠しややきもちで済ませられない暴言で、この瞬間に議論を打ち切っていいレベル。
らんま1/2(令和版) #20 お好み焼きの右京
お好み焼きの果たし状を受け取った玄馬が倒されてしまう。何者による襲撃なのか玄馬が口を割らないうちに、乱馬が襲撃を受け、相手は幼なじみの久遠寺右京であったことが判明する。
最初は右京が女だとまったく気付かなかった乱馬だが、気付いた後は「かわいいのにもったいない」と褒め倒す。このへん、「好きな相手には素直になれない」が発揮されているだけなので、本当に右京のことは何とも思ってないのがうかがえて、うっちゃんかわいそうです。
あと、天道家との間で許嫁の約束を交わしつつ、右京を許嫁にしていた一件については、玄馬があちこちで乱馬の縁組をタネに無銭飲食していたという平成版#22「激突!出前格闘レース」のアレンジがうまいことできてたと思った。当該話数はアニオリヒロインとして七福神大黒流の娘・大黒かおりが登場したほか、さらに別の流派も出てきて、いったい玄馬は何件の約束をしてるんだオチで、そりゃ右京みたいなパターンもあるわなととても納得だった。玄馬の言動を考えると犠牲者が右京1人とは思えんもんね。
羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来
妖精会館襲撃事件の容疑者としてムゲンが浮上し、シャオヘイは姉弟子・ルーイエとともにムゲンの無実を証明すべく捜査任務に就く。
妖精不思議パワーバトルアニメだと思っていたら、最初の事件で現代兵器が現れて「!?」となるのだが、本作は妖精と人間は共存できるのかの部分に踏み込んでいるので、ちゃんと前作から地続きで意味のある描写だった。 派手なアクションは健在、むしろパワーアップしているかも。ムゲンの無敵っぷりは爽快。
長老の1人でパワー系のチーネンが諏訪部順一、糸目飄々のシームーズが石田彰。あまり国産アニメではやらなくなった、ちょっと懐かしさすら感じるキャスティングじゃありません?あと、水瀬いのりは活発系少年少女で使っていけ派なので、ナタは最高っすね。