バジリスク〜甲賀忍法帖〜
阿福や服部半蔵らの見守る前で弦之介と朧は最後の戦いに挑む。満身創痍でまだ目の開かない弦之介の前で朧は自らの胸に刀を突き立てた。弦之介の目が開いたとき、そこにはすでに倒れた朧の姿があった。弦之介は人別帖の朧の名前と自分の名前を消すと、「最後…
天膳は弦之介の前に敗れ去った。甲賀と伊賀の頭領として、再び相まみえた弦之介と朧。すでに覚悟を決めていた弦之介だが、戦えないと語る朧の気持ちを知って悩む。そこへ陽炎が「私を裏切るのですか」と声をかける。そんな陽炎を抱き上げる弦之介だったが、…
見張りを討ち取り、隙を見て朧を狙った陽炎だが、生きていた天膳によって捕まる。天膳は陽炎を捕らえた旨の高札を立て弦之介をおびき寄せる。一方、廃寺で陽炎に”伊賀責め”を与える天膳。朧は陽炎への責めをやめるよう天膳に懇願するが、天膳は再び朧を手込…
天膳(左衛門)の前に現れた家来衆は不死の術を見せよと、天膳を刀で刺し貫く。家来衆の中には本物の天膳が混じっていたのだ。そして、左衛門との約束通り、朧の宿を訪れた陽炎に天膳は「自分が陽炎を手込めにして手なづけたと知らせる必要がある」と迫る。左…
天膳の導きで、小四郎の仇である陽炎のもとへ向かった朱絹。しかし、もちろんこれは天膳に化けた左衛門の罠で、その術で陽炎を追い詰める朱絹だったが、左衛門の助太刀により陽炎に討たれる。その後、陽炎と分かれた天膳(左衛門)だったが、そこへ阿福の家来…
豹馬を倒した小四郎は、宿が襲われて朧が殺されたことを朱絹に聞かされ、共に死なんと言われる。朧が死んだという事実に衝撃を受ける小四郎は朱絹に身を任せるが、それは朱絹の声色を使った左衛門の罠だった。小四郎の死体を置いておくことで伊賀の一行が訪…
小四郎の襲撃を受けた甲賀一行。弦之介と陽炎を逃がすため、豹馬が一人で小四郎の相手をすることになる。豹馬は瞳術を仕掛けるが、かつて弦之介に潰された小四郎の目は戻っておらず、逆に耳をやられる、そして一瞬の隙を突かれた豹馬は吸息かまいたちを食ら…
東海道を進む甲賀一行の前に、人別帖を持つ鷹が飛来する。これを弦之介(左衛門)と陽炎が追うが、その隙に天膳が襲いかかってきた。天膳は弦之介の目が潰されていることに満足し、豹馬を討つべく動くが、豹馬の能力を知らぬままだったため、逆に瞳術をくらっ…
まだ戦いが始まっていない頃。弦之介と朧は幼い頃に出会って互いに興味を持ち、やがて祝言が決まる。 もし家康の気まぐれで不戦の約定が解かれていなかったら……と思わないでもない光景。互いに恨みに凝り固まっているのは間違いないけれど、弦之介はともに表…
天膳と対峙する刑部は、かつて「不戦の約定」を結ぶ前に父が伊賀に殺された恨みを語る。乗り合わせていた芸人の親子の父を斬ってしまい、叫ぶ子の声を聞いた刑部は油断、朱絹の血を食らってしまう。慌てて船の中に隠れる刑部だったが血の跡が滲み、戸板まで…
弦之介を諦めようとしない朧を、天膳は手込めにしようとする。人払いの役を受けている小四郎は朧の悲鳴を聞きつつも何もできず苦悩する。朧の悲鳴にいよいよ小四郎が駆けつけたが、ちょうど霞刑部が天膳を背後から締め殺すところだった。陣五郎は刑部が紛れ…
橋が落ちた渓谷で立ち往生する蛍火のもとへ念鬼が追いつき、目の見えない弦之介と豹馬、そして陽炎を討ち取ったと告げる。左衛門だけは逃してしまったという念鬼に蛍火は詰め寄るが、その右手の指に自分が夜叉丸(左衛門)にまいたはずの包帯を見つける。油断…
蛍火を追う左衛門は蝶にまかれて蛍火を見失う。しかし、左衛門の投げた苦無で蛍火も負傷していた。そのころ、目を潰された小四郎は弦之介の瞳術を思い出しては恐怖していた。 目を潰される以前と以後で小四郎の印象が大きく違うのは、弦之介の瞳術への恐怖な…
弦之介は駿府へ赴き今回の戦いの真意を家康と半蔵に問うことにして、その旨の書状を伊賀に送りつけ豹馬らを連れて東海道を進む。関宿で、ともに死にたいという陽炎の毒を浴びた弦之介は先行してきた念鬼と蛍火の奇襲を受け「闇七夜の秘薬」によって目を潰さ…
総集編。甲賀と伊賀の戦いをつぶさに観察していた半蔵の息子・響八郎は駿府に戻り、これまでの戦いを家康らに報告していた。
「不戦の約定」のこと、すでに弾正をはじめ5名が討たれていることは弦之介の知ることとなる。天膳らは弦之介を取り囲むが、どんな術を使うのかしれないため向かっていくことができない。しかし、念鬼がしびれを切らして攻撃命令を下す。弦之介に下忍たちが向…
陣五郎に吸血を仕掛けるお胡夷だったが、陣五郎は塩に近づいて溶けて脱出した。やむを得ず、蔵から逃げようとするお胡夷だが、今度は念鬼が登場。今度は正面から吸血を挑むお胡夷だったが念鬼は全身が髪に覆われていて容易に肌を合わせられず、逆に背後から…
捕らえられたお胡夷は蝋斉の尋問にあっていたが、逆に吸血能力で蝋斉を倒す。さらに蝋斉を探しにやってきた陣五郎もお胡夷の罠にかかる。そのころ、左衛門は夜叉丸の姿に化けて鍔隠れに潜入。夜叉丸の恋人である蛍火にも気付かれることはなく、お胡夷を捕ら…
豹馬の「不戦の約定が破られたのではないか」という仮説の真偽を確かめるため、甲賀の如月左衛門と霞刑部が伊賀に向かうが、その途上で巻物を奪われ伊賀に戻る途中の夜叉丸と出会い、天膳の声色を使って夜叉丸から不戦の約定が解かれたという真実を聞き出す…
弦之介不在の卍谷では留守役の室賀豹馬らが集まっていた。ちょうど卍谷に天膳らが迫ってきていたが、豹馬は伊賀が奇襲をかけるべく来たことを察知、迎撃に出る。しかし、伊賀十人衆の力量は圧倒的で、甲賀忍者たちは為す術もなく倒されていく。 そろそろ伊賀…
お幻屋敷でもてなされる弦之介。しかし、心から甲賀をもてなそうと思っている者は誰もおらず、ぎくしゃくした空気を和ませるため朧と弦之介は祝言で披露するつもりだった和睦の舞を見せる。朧に悟られぬよう、夜更けに朱絹は丈助を、陣五郎は弦之介を狙う。…
弦之介と朧は甲賀の鵜殿丈助、伊賀の朱絹とともに鍔隠れの里へ向かう。駿府にいる甲賀弾正と風待将監の身に良からぬことがあったことを知った地虫十兵衛は駿府へ向かっていたが、その途上で薬師寺天膳らと出会う。天膳から攻撃を受けた地虫は、不意打ちで天…
かつて甲賀弾正とお幻が惹かれあったように、弾正の孫・弦之介とお幻の孫・朧もまた惹かれあっていた。祝言を間近に控え、二人は両家の和睦を誓う。しかし、家康からの人別帖がお幻の鷹からもたらされたことで、薬師寺天膳ら伊賀者は服部半蔵による不戦の約…
甲賀卍谷と伊賀鍔隠れに住む忍者たちは数百年にわたる敵同士ながら、服部半蔵の不戦の約定のもと和平を保っていた。しかし、三代将軍に誰をつけるのかをめぐって家康は甲賀と伊賀に忍法勝負をさせ、その結果で決めることにして不戦の約定を解いた。かくして…