「霧の風紀は、地球の風紀」と人類を滅ぼしにかかる霧に対して、千早群像は霧の総旗艦・大和との対話を試みるべく、大和の居場所を探る。
「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」完結篇。もともと「アルス・ノヴァ」自体が原作準拠ではないオリジナルですよという話なので、原作ではまだ使われていないというイオナのデュアルコア設定を活かして、独自の決着に。
テレビシリーズが始まった時点ではイオナも群像も「CGモデルのキャラクターだからこんなもんかー」って印象を受けたのだが、映画から出てきた霧の生徒会メンバー、特にヒエイやアシガラはかなりこなれた印象を受けた。「楽園追放」でアンジェラを見た時にもある程度の衝撃はあったのだが、この界隈の進歩はすごいなー。中の人たちはことごとく「技術が進んでいるわけではない」と話をしているので、本数こなすことで、どんどん3Dアニメーターの力量が上がっているということか。
キャラクターはもちろんのこと、海戦も言うことなし。宇宙での戦闘はぬるぬる動くようになってるし、「ガールズ&パンツァー」で戦車もぬるぬる動くようになったけれど、いよいよ軍艦もぬるぬる動いて戦う時代なんですね(ストライクウィッチーズで多少軍艦出てきてたけど)。このノリで「ドキュメント太平洋戦争 THE ANIMATION」とか作ってくれないものか。
DCのクライマックスの後の静けさから始まって、あとは後半へ向けての上り片勾配なので、展開はひたすらに「燃え燃え」。北極圏にいる武蔵を目指して単騎北上する伊401、それを万全の体制で迎撃する霧の艦隊。機関を除く霧由来の技術が使えず絶体絶命に陥った伊401に、仲間たちが合流してくる……。この、イオナが無力状態にあることでタカオ、ハルナ、そしてコンゴウと、サブに追いやられ気味のヒロインズが輝くのもいいね。コンゴウさんの戦いっぷりは、下手するとイオナの最終戦闘より熱くなったかも。
なお、「ここまでの復習」みたいなものは一切入ってないので、最低限、DCを見てる必要アリ。改めてシリーズを1から追いかけ直すのも面白いよなー。それを全て受けての、エンドロール後のとてもハッピーなエンディングなので。