ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

#08 読書サークル「SEA」

 3つのサークルを掛け持ちすることになった「私」。読書サークルはまるで軍隊か寺のように厳しく、息抜きに抜け出したところで、小津が古本屋で買ったが読まなくなったという「夜は短し恋せよ乙女」を譲り受けた。その末尾に「樋口景子」という女性の名前を見つけた「私」は、文通を始めることにする。景子さんは「私」のまさに理想とする女性で、うまく文通を続けていくが、文通が2年に達したとき会いたいと言われるようになる。ちょうど「私」は羽貫さん、そして香織さんとの恋愛双六も上がり寸前。羽貫さんの家のトイレで逡巡した結果、景子さんを選んだ私だったが、待ち合わせをした店はすでに閉まっており、景子さんの住むというマンションへ向かう。その住所に住んでいたのはひどく不健康そうで、まるで海の底からやってきた人の不幸が好きそうな顔をした人物……つまり、小津であった。
 ここまで2回が完全にほぼ同一の筋だからこそできることもあったし、だからこそ見えてくることも。この3回、高校時代の明石さんを「私」が助けていた流れだったわけで、明石さんからみた「私」への友好度は一番高かったわけだよなあ。小津が文通に飽きてからも続けてきたのは明石さんの裁量だったわけだし、もちぐまんとして助けてくれた「私」のことを「かっこよかった」と評してくれているし……。本当にもったいないことを。
 残るは3回。たぶん、あの下宿に吊してあるもちぐまんを明石さんに返すことができればループからは抜けられる気がするんだが、どうにも返せそうな予感がしない。