ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

#11 四畳半紀の終わり<終>

 四畳半に囚われの身となった“私”は占い師であれば「好機は目の前にぶら下がっている」と言うだろうと自嘲、もしも新たに行動を起こせるのであれば今度こそは……と誓いを新たにする。そして、もちぐまんを手にした“私”は突如現れた蛾の大群に追われるように、ついに四畳半からの脱出に成功する。時はまさに五山送り火の夜、各所の恨みを集めた小津が賀茂大橋の欄干に追い詰められるそのときだった。
 長い長い時を渡って、とうとう“私”は明石さんを猫ラーメンに誘うという約束を果たしたよ。この感想を書くにあたって通しで2度目の視聴を行ったが、そりゃ確かに同じような筋を辿るだけだから、大きな山場というほどの山場はない。でも、第1話から積み重ねられていたカタルシスの解放、これは本当に快感である。改めて、明石さんはかなり早いうちから“私”に好意を持ってくれていたことにも気付かされ、いったい“私”はどれだけ回り道をしてきたのかと……。
 浅沼晋太郎のはまり具合は、今となっては“私”が浅沼以外では考えられないぐらいのレベル。また、感情をそれほど表に表すことがなく内心を読めない明石さんに坂本真綾という配役はあたっている。吉野裕行=小津は言わずもがな。
 “私”と小津の表裏一体具合が心地よくなってくると、もう何周でも見られる。