しょっぱなから栗田貫一声ではないルパンが出てきたり、旧作顔のルパンがずらりと出てきたりと驚きの連続だったが、まさかルパンが一人ではないという作品だとは…そういう意味で赤ルパンと緑ルパンの対決ってことだったのか。
「アイスキューブ」というお宝を巡り、ルパンが厳重に守られたビルに侵入、もちろん防ぐのは銭形警部とおなじみの展開だったが、立ちはだかる敵キャラクターのかわりに現れるのは赤ルパン。話を盛り上げるギミックとして、末期ガンに冒され自分の息子に脳を移植した兵器商が出てきたのだが早々にリタイア。普通のTVSPならこのキャラクターをルパンが守ったりしつつ2時間展開させるところなのだが、事情も真相もスルーして物語はルパンだけを追いかけていく。これまでの「ルパン三世」シリーズの積み重ねがあったからこそのお遊び・掟破りで、ちょっとあ然としてしまった。しかし、記念作品としてはありだがTVSPのナンバーには入れて欲しくないな。ただの偽ルパンではなくて大量ルパン、さらには巨大ロボットとさすがに荒唐無稽。
近年のルパンTVSPはクオリティが今ひとつだといわれていて、その一因としてヒロインがかなりイマイチというのがあったのだが、今作では平野綾がゲストヒロインを担当しており悪くなかった。