ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

インビクタス/負けざる者たち (原題:Invictus、2010)

 反体制活動家として27年間投獄されたのち、南アフリカ初の黒人大統領になったネルソン・マンデラ。白人たちは黒人の報復を恐れたが、マンデラは人種の壁を越えて協力することが新しい南アフリカには必要だと説いた。南アフリカラグビー代表チーム「スプリングボクス」は黒人選手がわずか1人、しかも弱小で国民人気は低かった。マンデラはこのチームが白人と黒人の和解・団結の象徴になると考え、黒人の子どもたちのもとへチームを送ってラグビーを教えるなどして注目を集めていった。そして1995年のラグビーワールドカップで、スプリングボクスは奇跡の決勝進出を果たし、強豪オールブラックスとの戦いに挑む。
 「事実は小説よりも奇なり」とは言うけれど、この実話に基づいた映画を観ると本当に事実とは面白いものだと感じる。大統領の警護班に元公安の白人たちが配属されたときの黒人警護官たちの嫌がりっぷりが、だんだんと打ち解けていき、最後は無事ワールドカップを成功させたことを祝うなど、その部分だけでも気持ちがいいのに、さらにラグビーでも南アフリカは優勝してしまうわけで、そこに心地よさがないわけがない。スポーツ部分か、あるいは仲良くなる部分か、どちらかだけでも作品になりそうだもの。
 意外とラグビーの練習部分というのは少ないのだけれど、もともと南アフリカ代表(スプリングボクス)はアパルトヘイトのせいで出場を禁じられていただけで実力はあるとみられていたチームであるということを知識として知っていれば、あの勝ちっぷりも納得できるかも。作中では元ラグビー選手で、スプリングボクスを外されたことを根に持っているというスポーツキャスターが代表をこきおろしていたけれど、あれは笑いどころだったワケね。