ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

ひぐらしのなく頃に (2008)

 というわけで、実写映画版の試写会に行ってきました。
 自分は「ひぐらしのなく頃に」はアニメから入った人間で、今に至るまで原作はノータッチ。なので、原作では〜とは言いづらいのだが、この映画は丁寧だが原作・アニメにすでに触れた人向けの作品だと思う。

ストーリー

 鬼隠し編をなぞったもの。アニメは24分×4の96分だったが、こちらも1時間40分と尺はほぼ同じ。描かれた内容もほぼ同じで、冒頭は暗闇で行われる惨劇、そして圭一の転校〜綿流しという流れ。

キャラクター

 少なくともアニメとは別物だと割り切る心が必要。
 圭一はかなり元に忠実だが、レナ、魅音と遊びに行く様子がアニメだとワイワイ遊びに行く感じだったのがいかにもデートっぽい雰囲気になるのは仕方がないのかな。芝居が上手いわけではないが、雰囲気としては悪くない。
 レナは二次元→三次元の弊害をもろに受けたかも。可愛い女の子が豹変する様子が怖いわけで、そこまでのギャップは出せなかった感じ。瞳孔が縦に光る演出は悪くないが、「嘘だっ!」の演出には試写会場で笑いが漏れていた。ここはやっぱりゲームやアニメには勝てないところか…。語尾の「かな、かな」は後半になって思い出したかのように2、3回出てきた。
 一番変化が少ないのは魅音か。もともと鬼隠し編ではそれほど前へ出ていなかった気もするし。
 可哀想なのは沙都子。画面にはそれなりに映っているが、セリフは少なめ。これも活躍の場は鬼隠し編ではないからかな…。見た目は悪くないと思うが、低く見ても中学生ぐらいにしか見えないのは三次元の限界。
 同じくちょっと年齢が上がって見えるのは梨花。こちらは元々のキャラクターを考えるとそれぐらいでも構わないのかもしれない。ただ、口癖のはずの「にぱー」は登場せず、一人称が「ボク」から「わたし」になっては梨花ちゃんと呼べるのか。奉納の舞をしっかり踊っていてすごいなぁと感心した。
 富竹は登場した瞬間笑った。アニメなどでは二枚目半って感じで、圭一の知らないことを教えてくれたいい人みたいな印象があったが、映画ではもう私が悪役ですといわんばかりの悪顔。もうちょっとなんとか…。
 鷹野三四川原亜矢子。この人はすました美人なので三四に向いてるといえばそうなのだが、芝居がそこまで上手くないのが痛い。黒い雰囲気を漂わせている点はよかった。
 完全に別人になっていたのは大石。茶風林で慣れているところに杉本哲太はさすがに若すぎる。しかし、敵か味方かわからないという点は再現しているかな。

よかった点

 綿流しの祭りで行われる奉納の舞がかなり描かれていた点。舞の中身は三四が圭一に語った、かつて鬼が淵村の住民は人を殺しては解体していたという伝承をそのまま再現したようなもの。
 おはぎの翌日、レナが前原屋敷を訪問した際の圭一がすでにおかしいという描写がなされていた点。大石との電話中にL4(か?)を発症した圭一、そのまま周辺にもやが立ちこめて現実ではないのではないかという雰囲気をしっかり出しており、レナや魅音たちの行動もおかしいが、圭一も正常ではないというのが分かりやすく表現されていた。
 圭一が入江診療所で見てもらった際、入江医師がしっかりカルテに「L3」と記入した点。原作を知っていれば「そうそう」と頷ける。

まとめ

 試写会場の客層はいろいろ。やはり若い層が多かったが、中には50〜60代の女性3人組などもいて、どうしてこの試写会に来たのか聞いてみたかった。
 ドラマ版の「魔法先生ネギま!」を見て、「これもまた一つのネギまだ」と認められるような人にはオススメします。逆に、アニメですらちょっとひぐらしとしてどうかと思っているような人はもうなかったものと思って下さい。そんな映画。