ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

薄暮(2019)

 文化祭での弦楽四重奏に向けて練習を重ねる女子高生・佐智は、遠回りして「薄暮」の風景を見てからバスで帰宅するのがお気に入りとなっていた。ある日、バス停でスケッチブックを持った男子高生・祐介に話しかけられる。彼は東日本大震災の帰宅困難地域からいわきに避難してきたことで「当たり前の景色が失われる」ことを実感し、風景画を描いていた。
 「blossom」「Wake Up, Girls!」に続く山本寛監督の「東北三部作」最終章にして、監督『引退』作。
 とても素直なガールミーツボーイもの。ヤマカンはアニメディア吹奏楽部モノの「アインザッツ」を連載していたこともあって、もともと音楽ものをやりたいというのはあったのかも。「けいおん!」原作開始よりは後だが、「響け!ユーフォニアム」の原作には先駆けている。
 佐智たちはコンクールに出るような上手い子たちじゃないわけなので、演奏シーンは全編動かすわけではないながらもインサート入れたりして、いい感じに見せてたと思う。音楽アニメである「のだめカンタービレ」でもわりと諦めてた部分多数なんだから。……というのは甘いかなぁ。上映館数の多い作品で「え?それテレビアニメでしょう、映画になってないでしょう」みたいなのやらかす例があること考えれば、上映館数も予算規模も小さいこの作品は、求められるだけのものにはなっていると思う。
 桜田ひよりと加藤清史郎は声優業を無難にこなしている。エンドクレジットでクラウドファンディング出資者に志倉千代丸の名前が残っていたのにはちょっとニヤニヤ。原画で湖川友謙が参加していたのにはびっくり。ヤマカンパワーなのか制作の誰かがすげぇパワーなのかはわからないが、どういう?