ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

劇場版 交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい (2009)

 レントン×エウレカが好きな人、ドミニク×アネモネが好きな人、「もきゅ」と鳴くニルヴァーシュ幼生が気に入る人にはお勧めの映画。特に、地上波シリーズでは照れて自分の気持ちをあまり素直に出さなかったレントンが、エウレカにばんばん「好きだ」「愛している」と愛の言葉を投げかけるので、レントンの青臭さが鼻についていた人は、レントンの成長ぶり(豹変ぶり?)に感動するかもしれない。また、レントンvsホランドの空戦は超絶技巧を謳うだけはある見応えのある空戦だった。
 一方で、ストーリーは根本から変更されており、レントンエウレカは幼なじみ、ゲッコーステイトの面々は人体実験の材料にされた戦災孤児で見た目は地上波シリーズと同じながら年齢は全員17歳ということになっていて、戸惑うことが多い。ホランドが無意味にレントンを殴ることはなくなったけれど、そもそもゲッコーステイトの面々に思い入れを抱けないまま……。地上波シリーズの映像を使って云々といわれていたからどう料理するのかと期待したのだが、やっぱり地上波シリーズを見ているから違和感が残ったまま。それに、わりと新作カットも多くて、「総集編にわずかに新作カット」とは異なる。たとえば、エウレカが月光号に回収されたあとの医務室のシーンは、地上波ではかなりギスギスした会話だったが、このエウレカレントンは「ようやく再会できた」というところなので、前半ではレントンは軽く赤面しているし、エウレカの髪型も異なるので、そのまま使われている絵もあるけれど、かなり手が入っている。
 地上波とは異なる解釈でリブートした作品ということなら「新世紀エヴァンゲリオン」に対する「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」だってそうなわけで、なぜ「地上波の映像で内容を換骨奪胎」という押し方にしたのかは不明。
 テアトル梅田の人に聞いたところによるとGW中も毎回満席で立ち見が出る状態で、夕方上映回のチケットは昼頃にははけてしまっていたそうだ。いやいや、そこまでする映画じゃないよ、とは一応釘を刺しておきたい。