ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

SHORT PEACE (2013)

 @大阪ステーションシティシネマ スクリーン12
 大友克洋の新作がスタジオジブリ、しかも宮崎駿の新作とかち合うなんて、そりゃ映画館に行くしかないじゃないか。新作と言っても短編集で、大友監督は「火要鎮」だけなんだけど、森本晃司によるオープニング含めて5作品ともスゴイ。すごいが、「風立ちぬ」とバッティングする形になったのは不運かもしれない。

オープニングムービー

 「次元爆弾」と同じ雰囲気、コロコロと変わる舞台と女の子。「不思議の国のアリス」の雰囲気で、最後はSHORT PEACEの「O」に繋がる赤い玉が女の子の体の中へ。妊娠風の描写にスカートひらひらは絶妙、無垢なエロさ。もうちょっと時間or予算or両方があれば「オープニングムービー」じゃなくて1本の作品になったのかな……今回、大友克洋はアート系じゃなく興行として当てる作品を作らなければみたいなことを言ってたので、そのへんで作品にはなり得なかったのかもしれず。

九十九

 山の祠での一幕。付喪神に臆することなく自らの腕を振るう男がカッコエエ。嵐の夜にさびれたお堂に入っていくので最初は絵が暗いんだけれど、いったん明るくなってからの色彩は実に鮮やか。織物とか、コレがアニメでさくさく作れるのはCGのおかげですよね。ありがたやありがたや。

火要鎮

 大友インタビューによれば、こちらの着物の柄とかはすべて手での貼り付けだそうで……でも、その細かい作業のおかげで、あの嫁入り衣装の美しいこと。松吉が屋根に上がっていったときの火事の広がり方の絶望感、迫力はスクリーンでお金を払ってみるだけの価値があった。しかし、実に悲恋。

GAMBO

 熊と鬼がガチバトル。鬼にさらわれた村の娘が孕まされている徹底っぷりは、ヘタするとGAMBOが負けてしまうんじゃないかという不安を感じさせるに十分。

武器よさらば

 カトキハジメの初監督だったが愁眉を開く出来……というか、カトキだからこそなのか、こだわりぬいた兵器描写はトリを飾るにふさわしい作品。手に汗握る展開。ラストの「夢であいましょう」を聞いて、笑いながら映画館を出ることになる。