ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

カットスロート・アイランド(Cutthroat Island、1995)

 女海賊モーガンは父から宝の地図を託される。それは、目指すものはみな死んでいくというカットスロート・アイランドにある宝の場所を記した地図の一部分だった。ラテン語の地図を解読するため、奴隷市場で自称医者のウィリアム・ショウを買い取ったモーガンは、地図のもう一片を持つ伯父モデカイのもとへ向かう。しかし、モーガンの父を殺したもう一人の伯父ドーグや、エインスリー知事率いる英国軍がモーガンを追ってくる。2つ目の地図を手に入れたモーガンは島を目指すが、宝を狙う部下スカリーがドーグに寝返ったため、ショウら一部の部下らと共に海へ投げ出されてしまう。辛くもモーガンらは島にたどり着き洞窟で財宝を見つけるが、ドーグらに追いつかれて宝を奪われ海に突き落とされてしまう。自分の船を取り戻したモーガンは、宝を積んだドーグらの船との砲撃戦の末に勝利、財宝も手に入れて新たなマダガスカルへの旅に出る。
 なんか聞いたことがあるタイトルだったので見てみたのだが「製作費・宣伝費合わせて1億ドル以上がかけられたが、その1割強ほどしか回収できず、ギネス・ワールド・レコーズに「最も興行赤字が大きい映画」として記載された」映画だったよ。そりゃアクションがもっちゃりして、話も大して面白くないわけだ。一部、酒場などで女性キャラは出るものの、全編通して出てくるのは汗臭い男たちとモーガンだけ、しかもモーガン(演じるのはジーナ・デイヴィス)は特にかわいくもないときている。美少女海賊の話なら荒唐無稽ながら見られるが、オバサン海賊の何がいいんだ。フィクション万歳。
 ストーリーに特に山があるわけでもなく、爽快なアクションもない。登場人物たちが頭を働かせた結果窮地に陥るなら仕方がないけれど、やってることはなんか間が抜けている。その最たるものがラストのドーグとモーガンとの決闘。それまでもトドメを刺すチャンスは何度もあったのに刺さなかったドーグがいよいよモーガンをマスト上で追い詰めていくとシーン、モーガンはロープをつかんでギリギリ足で踏ん張っているだけで、一方余裕のドーグは剣を突きつけ「これで終わりだ」などと呼ばわり、誰かがドーグの剣を撃ち落とすのか、それともモーガンがサーカス的曲芸でマストから逃げるのかと思いきや、ドーグがロープを切りモーガンは下の荷物の山に落ちるだけ。うめきながら転がるモーガンのもとへ再びドーグが迫っていくが、モーガンのそばには大砲があったので、それを撃たれて吹っ飛ばされたドーグは一巻の終わりって、なんだよ。
 製作費は1億ドルで、海賊船を造るのとか、爆薬購入に充てられたのかと思えるぐらい立派な船と爆発っぷりだったが、中身スカスカではどうにもならんぜよ。「5分に1回ワナがある」というのが当時のうたい文句らしいが、ガッカリ方向へワナを張ってどうする。