ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

ボーダーライン(Sicario、2015)

 麻薬カルテル捜査チームに参加することになったFBI捜査官ケイトの戦いを描く。といっても、ケイトはそのFBIという肩書きを利用されるポジションで本人が活躍するシーンは多くなく、カルテルへの復讐に燃えるアレハンドロと、そのアレハンドロをメキシコに送り込んで麻薬を従来のようにCIAが管理できていた状態に戻そうとしているグローヴァーの暗躍をただただ見ているしかできない。ケイトがどれだけ反発しようとも、グローヴァーたちの行動は超法規的措置として「遙か上」から下っている命令なので止めようがないという。
 主人公がわりと無茶な環境にでもあっという間に適応していく作品は多いけれど、グローヴァーとアレハンドロがその真の目的をかなり後半まで伏せているので、観客とケイトはその真意をまったく把握できないまま後ろについていくしかなくて、無力感がすごい。
 でも、メキシコの現実と照らし合わせたとき、その「無力感」は間違ってないんだろうとも思う。