ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

裏窓(原題:Rear Window、1954)

 事故で足を骨折してしまったカメラマンのジェフは、退屈な生活をマンションの裏窓から見る隣のアパートの住人たちの生活で紛らわせていた。裏窓から見えるのは作曲家の青年、”ミス・ロンリー”と勝手に渾名をつけたいつも一人の女性、いつも具合が悪く寝ている妻とセールスマンの夫、ベランダに布団を出して寝ている犬好きの夫婦、バレエダンサーをしているらしい”ミス・グラマー”、芸術科の女性、そして窓を閉め切っている新婚夫婦。ある日、セールスマン夫妻がケンカしているのを目撃したジェフ。その日から妻の姿は消え、夫の挙動が怪しくなったので、彼はいろいろな状況から殺人事件があったに違いないと考え、恋人のリザとともに調査を進めていく。
 何がワクワクするかって、カメラがジェフの部屋から出るのはラスト近くのわずかな部分だけで、他はすべてジェフの部屋の中か、ジェフの見ている範囲だけというところ。観客が神の視点を持つことはなく、ジェフと同じ推理しかできないところはもどかしいが、フェアといえばフェア。リザが容疑者の家に忍び込み、その様子を窓から見ているだけの時の手に汗握る感覚、このスリルはこの視点でなければ味わえない。