ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

BLACKFOX(2019)

 アニマルドローンの技術を巡り祖父と父を殺された石動律花は、祖父に仕込まれた忍者技能と父から託された3体のアニマルドローンを用い、「リリィ」の名で、復讐の機会をうかがう。
 パンフレットのスタッフ(野村和也総監督、および篠原啓輔監督&キャラデザ・斎藤敦史さん&脚本・ハヤシナオキさん)インタビューを読むと、キャラクターデザインを手がけた斎藤敦史さんのイラスト(別企画用)を気に入ったインフィニットの永谷社長が「何かやろうよ」と企画化、何もないところからスタートしたとのことで、かなりぼんやりと進められた様子が浮かび上がる。イラスト先行なんだろうなぁというのは、ラストの揃いの決めカットとかでなんとなく感じていたが、それを反映したような「いろいろ要素ぶちこんだごった煮映画」。最終的にはアメコミ風でまとめたようだが、どうも迷走の残滓が。
 クライマックスのリリィvsアレン、およびリリィvsミア、冒頭の幼少期律花vsじいちゃんはよく動くバトルしてるけれど、兵器化されたアニマルドローンとの戦いは、アニマルドローンの重量感があんまり感じられず圧倒的に迫力不足。復讐劇だからとドロドロした方向にしないのは意識してのコントロールだと思うけれど、雰囲気のメリハリがちょっと甘くて、「ただ百合風にしたいだけなのでは?」と感じた。
 ……ん、律花はアニマルドローンの技術さえどうにかできればそれでよいのか?それともブラッド(とアレン)を殺すことまで目指していたのか?仇は殺し合わなければ、とはいわないが、そのへんを「許すことが大事」という父の言葉だけでぬるっと解決するの、かなり厳しいです。