ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

姑獲鳥の夏 (2005)

 京極夏彦の同名小説を「ウルトラマン」の実相寺昭雄監督が映像化。京極夏彦という人は自作の映像化については非常に懐が広い……のか無頓着なのか、ルー=ガルーでも原作とはまったく別物が出てきても「コレはコレ」って言い切って楽しむ人(ここダメだ!って修正させたりはしない)なので、見る人にもその覚悟が要求されているよね……。
 戦後のおどろおどろしい空気に妊娠20ヶ月の妊婦というまさに「カストリ雑誌」なネタが重なってくるこの原作、2作目以降であれば傍若無人に暴れ回る榎木津もまだおとなしく、とにかく関口が自身のトラウマに囚われ続けて暗い方向へ暗い方向へと進んでいくので、百鬼夜行シリーズの中で自分は好きな方ではない。
 原作小説はとにかく長いので、そのまま脚本化してもとても120分以内におさめられない。どこを削り、どうつじつまを合わせていくのかがミソになるけれど、省きたい京極堂によるうんちくが面白かったりするからどうしようもない。涼子さんの三重人格とか、そりゃ映像でわかりやすく作れんでしょうけども。
 次に映画化された「魍魎の匣」とはほぼキャストが共通だが、関口巽永瀬正敏から椎名桔平に変更。神経質で鬱々とした関口先生としては永瀬正敏の方がハマってたかなぁ。ああ、続きも映画化されないかなあ。見に行ったらぶつくさ言うのは目に見えてるけど。