ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

#01 テニスサークル「キューピット」

 大学3回生の「私」は、入学当初に夢見た薔薇色のキャンパスライフとはかけ離れた無意義な生活を過ごしていた。「私」は楽しい学生生活を送れる者と信じて、数あるサークルの中からテニスサークル「キューピット」を選んだ。しかし、もともと体育会系の素養がない「私」が馴染めるわけもなく、居場所をなくしていき、やがて同じようにサークルに馴染んでいなかった小津と出会ってしまう。「私」と小津は、サークルの内外構わず人の恋路を邪魔しては赤い糸を切って回る「黒いキューピッド」として名を轟かせることになる。そんなとき、下鴨神社糺の森にあるラーメン屋で”縁結びの神”を名のる男と出会う。彼は、「私」の後輩で変人である「私」を唯一理解してくれる明石さんを、「私」か小津のどちらかと縁結びする予定だという。最初は鼻で笑っていた「私」だが、この2年間を後悔し、明石さんと自分を結ぶように頼む。そうして、五山送り火の夜、「私」は賀茂大橋で明石さんに声をかけることに……。
 湯浅政明らしい独特の演出が、この奇妙な物語にビビッと嵌っている気がする。「私」を演じる浅沼晋太郎は、福山潤神谷浩史でも替えが効きそうに感じるけれど、そこまで個性が強烈じゃないのが「私」らしいかも。不気味なキーキャラクター・小津も吉野裕行が怪演しているし、何を考えているのかわからないヒロイン・明石さんは坂本真綾がバッチリはまってる。原作もきっと面白いのだろうし、それをうまく演出して面白味を引き出しているのでは。