ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

スティング (原題:The Sting、1973)

 詐欺師フッカーは師匠であるルーサーとともに財布のすり替えで小銭を稼いでいた。しかしあるとき、それと知らずにギャングの手下モットーラをひっかけて5000ドルという大金を手にする。フッカーは分け前の3000ドルをあっという間にルーレットでスってしまい、その様子を見たルーサーは自分の分け前を渡して旧友ゴンドーフのもとへ行くように説教するのだった。フッカーが大金を手にしたということを悪徳警官スナイダーがかぎつけ、フッカーは手持ちの金を奪われてしまう。そこでスナイダーから、フッカーが盗んだ金は大物ギャング・ロネガンのものであると知り、ルーサーに忠告の電話を入れるのだが、すでにロネガンの手によってルーサーは殺されていた。フッカーは命からがらゴンドーフのもとへ逃げ、ロネガンへの復讐を誓う。
 ポール・ニューマンロバート・レッドフォードという「明日に向かって撃て!」のコンビを起用し、同作のスタッフが再結集して作った傑作。オープニング曲が「ジ・エンターテイナー」という時点でこの映画がギャングの出てくるシリアス調作品ではなくもっと明るい雰囲気のエンタメであることには気付くが、ストーリーはしっかりとしていて、非常に痛快。フッカーが何度も軽率な行動を取る中、伝説の詐欺師であるゴンドーフが遙かに上手に立ち回る様子はハラハラしつつもどこか安心して観ていられる。最後は電信賭博でロネガンを引っかけ50万ドルをせしめるわけだが、自分はこのラストを観るのは始めてだったので、一瞬「うおいっ!!」と思い、その後「うまいっ!!」と納得させられた。被害を受けたのはギャングであるロネガンと悪徳警官であるスナイダーだけ、しかもロネガンもスナイダーも騙されたことに気付かないままという、実にスッキリしたラスト。「午前十時の映画祭」、実にありがたい。