ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

コララインとボタンの魔女3D (原題:Coraline、2010)

 少女・コララインは新しい町に引っ越してくる。父は園芸ライター、母は園芸雑誌編集で、それぞれに仕事に忙しく、コララインは一人の時間が多い。井戸があると聞いて外へ冒険に出たコララインは、どこか陰気でよくしゃべる少年ワイビー、不気味な黒猫と出会う。ワイビーはコララインそっくりな人形を渡してくれたが、夜になるとその人形はコララインのベッドからなくなっていた。人形を探していたコララインは、壁紙に隠された小さなドアを見つける。母に頼んでドアを開けてもらってもその向こう側はレンガだったが、夜になってもう一度開けてみると不思議な通路が広がっていた。向こう側に待っていたのは、コララインに優しい別のお父さんとお母さん。二人は目がボタンになっていた。コララインは居心地の悪い現実から異世界に逃避を続けるが、異世界は魔女の支配する世界だった。やがて、魔女に両親を奪われたコララインは、両親を取り戻すために魔女と戦うことにーー。
 現実と異世界を行き来できる事情通の黒猫を味方につけ、少女が魔女に立ち向かう冒険譚なんだけれど、現実ではコララインは両親になかなか相手をしてもらえず(ちょうど仕事が多忙な時期だったため)孤独な場面が多く、また、異世界は魔女が支配しているためずっと夜で薄暗い雰囲気。どうにも陰鬱なイメージは拭えず、後ろの席の子どもが途中で何度も泣いていた。冒険活劇を期待して見に行くと肩すかしを食らう。
 4年間かけて製作されたというストップモーションアニメはスゴイ。ボビンスキーさんのサーカスや、ミス・ピンク&ミス・フォーシブルの演劇もストップモーションなのかと思うと、その手間暇かけた作業に頭が下がる。よくこんな長編を作れたものだ。
 吹き替えは主役のコララインを榮倉奈々が、黒猫を劇団ひとりが、母親&魔女を戸田恵子が演じている。戸田恵子はさすがベテランのそつのなさ、榮倉奈々劇団ひとりも違和感なく演じていて、吹き替えだからといってガッカリするところはなかった。