ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

パブリック・エネミーズ(原題:Public Enemies、2009)

 銀行強盗を繰り返し、仲間の脱獄を助けるなどしてFBIの目の敵にされていたジョン・デリンジャー。州をまたいで逃げ続ける彼を、FBI捜査官メルヴィン・パーヴィスらは執拗に追いかけていた。
 義賊として有名なジョン・デリンジャーの後半生を追った作品で、原作はノンフィクション。たぶん日本で言うところの「ねずみ小僧」みたいなもので、アメリカ人なら誰もが名前を知っている義賊なんだとは思うけれど、日本では知名度があるわけではないので、何の説明もなく話を進められて非常に困惑。予告編などでジョニー・デップであるという点のみがプッシュされていたのも頷ける。しかし、かといってデップを使い切ったという感もなく、むしろ魅せてくれたのはパーヴィス役のクリスチャン・ベイルと、ベテラン捜査官ウィンステッド役のスティーヴン・ラング。当時の車や銃を忠実に再現しているのは褒めるべきポイントだが、そのせいで捜査官も泥棒もみんな黒いコートを着込んでいてどれが誰だかさっぱりわからない。見分けのつかなさはゴッドファーザーに出てくるマフィアが敵か味方かわからない以上のレベル。
 原作がノンフィクションだけにドラマティックに変更するわけにはいかなかったんだろうけれど、デップ好きの女性以外は観てもあんまり喜べないかも。