元バンドマンでクリエイターのアオキタクト氏による作品。シーンがぶつ切りで暗転切り替えを多用しており、テンポがちょっと悪い。正直言うと「テアトルが1000円の日で良かった」。一般通常料金1300円とお買い得な映画ではあるけれど、それでも泣いてたかもしれんレベル。カラオケのBGAで流れるナントカ学院生徒作品とか、ああいうのを小マシにした映像。
ただ、1作目の「ハルヲ」についてのQ&Aで「ずぶの素人からはじめたんだし。最初と最後で出来が全然違うのも当然よ。難易度の低そうなとこから作ったから、完全に時間軸順に作ったわけではないけど(略)地味な会話シーン(アッコルの部屋のシーンとか)からはじめて、徐々にアクションシーンに。」「最後の方を基準に見ると、やっぱ初期のカットは出来が悪いねぇ。」って書いてある通り、だんだん腕が上達してきているようで同時上映だった「ハルヲ」と比べるとクオリティの差は歴然。
たぶん作りたかったのは「攻殻機動隊」とか「マクロス7」「マクロスF」とかああいうものなのだろうと思うけれど、まだまだ技術は荒削りで、見ていて時々オオウと目を覆いたくなる。だが、ストーリーや演出面で「俺がやりたいのはコレだ、お前らに見せてやる」という滾る・迸る魂が見えていて、なんかこちらもやる気出てくる。アキラが街中へ繰り出して飛び回りながら絵を仕上げていくところのバカ騒ぎっぷりはいい。ぜひぜひ次回作が見てみたい。
キャストでは平野綾はやはり目立っていたが、アキラ役の根本正勝の声がイイ。軽薄なバカっぽくあり、しかし絵にハマっていき真っ直ぐ突き進む熱血なところもあるアキラの動きと全く一致した声。この人、他にもいろいろ声優やってみてほしいなぁ。
作中で用いられていた絵が目を引く魅力的なものだったのもよかった。