ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

生きない (1998)

 保険金目当ての集団自殺バスツアーに一人の招かれざる客が入り込んだことから異変が生じる。監督:清水浩、脚本・主演:ダンカンで、全く期待しないで見たのだが、かなり面白かった。
 ダンカンはツアーを企画した添乗員役。招かれざる客に大河内奈々子、彼女は叔父の代理で参加したためツアーの趣旨を理解しておらず、旅を楽しもうとする(旅は「沖縄初日の出ツアー」と銘打っている)。そんな大河内に旅の目的を知られては困るため、他の参加者たちは必死で普通のツアーを装うが、結局は知られてしまい、薬で一旦眠らせることに。大河内は目覚めてからも周りに「生きよう」とアピールを続け、参加者たちは心が揺れる。そんな中、温水洋一が発作を起こし、参加者たちはしりとりで彼の意識を保とうとする。最後にバスは崖から転落...の予定だったが、運転手がブレーキをかけてしまい直前でストップ。乗客たちに「お前らバカだ」と言い残し、ダンカンはバスから降りてしまう。バスが走り去った後、一人しりとりをしながら彼は崖から直立不動の姿勢で飛び降りる。そして、最後に沖縄自動車道での自動車事故により、バスの乗員乗客は全員死亡したというニュースが流れる。
 レビューを見ているとどうやら前半に比べて後半は出来が悪い、ということらしい。全く前半を見ていないため何ともコメントしがたいのだが、後半は後半で一つの姿勢は貫いていた。それは「もう生きないと決めたんだろ」ということだ。ダンカンからすれば、発作を起こした温水は「それで死ねるなら本望じゃないのか」としか思えないわけだ。それを最後の最後に躊躇する意味が分からない、ってなもんだろう。
 ぜひ今度は最初から通して観てみたい