ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

トータル・リコール (Total Recall、2012)

 @なんばパークスシネマ シアター8
 ポール・ヴァーホーヴェン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の1990年の同名作品をレン・ワイズマン監督がリメイク。もともとフィリップ・K・ディックの「追憶売ります」という原作があるが、これは完全に映画版をもとにしているというのは設定やセリフの端々からも明らか。
 地球は世界大戦の結果荒廃し、ブリテン連邦(UFB)とその支配下にあるコロニー(オーストラリアあたり)にしか人は居住できなくなっていて、UFBとコロニーとの間はコアのそばを通過する巨大エレベーター「ザ・フォール」で約20分で連絡されている。工場で働くクエイドは警察関係の職に就いている妻のローリーとともにコロニーで暮らしていたが、最近、自分が体験したこともない諜報員のような夢を見るようになった。そこで夢を売ってくれるというリコール社へ行き、諜報員になる夢を見せてもらうことに。
 設定の根本は1990年版と同じで、ヴァーホーヴェンが特撮を駆使した部分がCGに置き換えられている感じ。コロニーは香港をイメージさせるようなごみごみした町並みで、UFBでは磁力で道路上を浮上走行したり、道路下部に吸い付くようにして走ったりするマグネットカーの高速道路があったりする。しかし、映像の美しさが即、作品の面白さにつながるわけではない。アクションのキレなどでいえば2012年版はクエイドもローリーも、クエイドがかつて諜報員だったときに共に活動していたメリーナも、素晴らしいものを見せてくれているし、縦横無尽に動くエレベーターでのアクションをはじめよく動いてるけど、「そうなるよね」みたいな、あと一歩感。
 火星に潜り込むためのおばちゃん変装とか、トリプルおっぱいとか、銃弾の通らない装甲ドリル車に手持ちの削岩機で立ち向かうとか、火星が酸素で満たされる前に外に放り出されて目玉飛び出てウワァァァとか、1990年版に印象深いシーンが多すぎるんだな……。
 なお、吹替はヒロインが本田貴子、嫁が岡寛恵。この組み合わせ、「バイオハザード」なら劇場版アリスとテレビ版アリス&劇場版クレアで、相当強いよね。