ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

NEWS ZERO特別版・宮粼あおいパリ〜北アルプスへ・おおかみこどもを巡る旅

 映画「おおかみこどもの雨と雪」で主役の花を演じた宮粼あおい細田守監督の特集。パンフレットにたぶん書いてあると思うけれど、舞台になったあの田舎町は細田監督の出身地、富山県上市町。監督自らカメラ位置に案内してたように、劇中に登場した棚田がそのままそこにあって、今にも雨と雪が走ってきそうな情景だった。
 今回、パリでアンケートを取ったところ、人気の理由は「母と子のストーリー」が1位。子育ての悩み、楽しみは万国共通だから、共感を得やすいのかも。
 あと、細田監督がディレクションする時にトークバックを使わず、わざわざアフレコスタジオ内に入っていって、終わったらまた調整室に戻ってきているのを見て、けっこう驚いた。「時をかける少女」「サマーウォーズ」そして本作と、オーディションで適役を見いだし、この役=この声というほかないキャスティングがなされてるけど、ああやって的確なディレクションを細かく入れていくから、作りたいものとできあがるものにブレがないんだろうなあ。
 印象的なのは「観客すごくないですか?観客。僕が3年くらいかかって少しずつの感動を重ねたものを、なんと2時間で見られちゃう。観客の人はすごく贅沢じゃないですか?」という言葉。自分が一緒に仕事をしたいと選んだ人たちが作り上げたものをまとめあげられる監督とは幸せな仕事だ、という言葉に続くもの。こういう思いを抱いて作っているのだから、その結晶が輝くのは当たり前なんだろうなぁとも思う。一方で、音響効果の今野康之さんが「音で作品を壊してしまうこともある」と、本作で生音を使っている理由を語っていたように、ただ単純に積み重ねるだけでは意味がなくて、こういう結晶を作りたいというリードがあるからこそできあがるものでもある。
 ストーリー的にはツッコみたくなる部分もないではないが、やっぱりあと何度かは見直したいなー。