http://www.tv-asahi.co.jp/fuurinkazan/
原作・井上靖の大型時代劇。原作は未読。この原作は来年の大河ドラマにもなるんだっけか。
とりあえず主役が山本勘助らしいのはすぐにわかったが、どこが描きたいポイントだったのかが不明瞭。豪華キャストやちょっと頑張ったロケで魅せる合戦がメインなのか、それとも山本勘助(北大路欣也)が由布姫(加藤あい)に振り回されてるっぽいのがメインなのか。合戦シーンのがんばりは認めたいけれど、なんかやっぱり放送枠が2時間ちょっとの時代劇ではこんなもんかなぁ…。あと最初から武田信虎が出てこないのはちと寂しい。武田家のお家ドロドロやるなら信虎-晴信から始めるとよいと思うのだけれど、今回のドラマからすると時代が前すぎるか。
合戦の面から行くと、村上攻めがあっさりすぎる。板垣信方戦死が一瞬だったし(甘利虎泰戦死は見逃した…ちゃんと庇ってた?)、戸石崩れはあったけれど真田幸隆出てきてないし。真田については他であんまり出てこない流れだったから切ったのかも。最後の川中島はちと戦場が狭かったのではないか。本陣の目の前まで敵が…大将(武田信玄)が一人で陣に…まあこのへんはいいとしても、武田信繁の最期、ありゃあないよ。だって、明らかに敵多勢、のったり剣を交えて槍で突かれて死亡。「惜しみても尚惜しむべし」と評された人物なんだから、もっと目立たせてください。勘助の最期は頑張った。首は取られないもんなのか? 最後に信玄が勘助を求めて戦場を徘徊する様はドラマのラストとしてはありかな。実際にあんな大将いたら困るけど。
で、人間関係からみると、勘助ってただ由布姫(諏訪御料人、湖衣姫)への思いで動いているのではなくて、晴信と由布の二人を支えることを原動力としていたらしい(公式サイトみて気付いた)。籠の中から姫の姿が消えててあわてて追いかけるとこなんて、もう恋するオヤジよな。ちなみにあれは諏訪湖畔か?ドラマみてる時は海かと思ったが、甲斐や信濃で海はないな。
由布姫と於琴姫の「尼になります」ってのはさすがに強い戦国の女性であるなというところか。
配役なんか悪くなかったので、もう少し長い尺で見たかった。「里見八犬伝」が5時間でこれが2時間ちょいなんてもったいない。そういや八犬伝の感想まだだっけ。