ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

バーニング・オーシャン(Deepwater Horizon、2016)

 2010年に起きたメキシコ湾重油流出事故の現場の様子を描く。ドキュメンタリーではないが再現映画なので、わりと情けも容赦もない。数字の上では、これだけの大事故でありながらも犠牲者が11名にとどまったのは不幸中の幸いのように見えるのだが、実際のところはBP社が工費圧縮のためにわりと無茶させたせいなので、本来はもっと安全にできたものがコケただけの話であり、憤懣やるかたなし。作中、ジョン・マルコヴィッチ演じるヴィドリンとその同僚(BP社から派遣された幹部)が現場作業員に圧力をかけたシーンもあって「こいつら……」とも思うのだが、どこの現場でも横行していることで、まず問うべきはBP社の責任なわけです。
 なお、マーク・ウォールバーグの演じたエンジニアのマイク・ウィリアムズ氏が操縦士のアンドレアさんを助けたのは、映画演出ではなく史実に基づいた話だそうで、事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもの。
 特にドラマティックにするでもなく事実を映像化したのは、トム・ハンクス主演の「ハドソン川の奇跡」に通じるものを感じる。構成はあちらの方が一枚上。
 ちなみに字幕ではプラットフォーム名「ディープウォーターホライズン(14文字)」が横一列に入らないためか、すべて「ディープウォーター」表記になっていて、どうでもいいところだけれど、それなら吹替版見たのにーと思った。「ディープウォーター」でも9文字食うから、いったいどれだけの情報量が削られてしまっていることか。