ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

アニメミライ2013 (2013)

 @梅田ブルク7 シアター4。パンフレットがないとのことだったのでブックレット付きの前売券を買ったが、3月9日・10日の土日に上映がないというのはどうなっているのか。平日は平日で1週目は朝&17時台開始、2週目は18時50分開始(3月15日金曜日に至ると15時50分開始の1回のみ)って……。作品の中身はよかっただけに、上映スケジュールでまったく支援しようとする気が感じられません。アニメーターの育成事業で儲けは二の次だろうし、地上波&アニマックスでのテレビ放送もあるだろうし、DVDも出すだろうけど、多くの人が見られるようなスケジュールにしないなら最初からテレビ放送&DVD販売だけにしとけばいいよ。それなら前売券も買いませんから。

龍-RYO-

 やってくれた喃、GONZOェ……。他の作品は形こそ違えども「25分で1つの作品」になっているのに、これだけは「全12話ぐらいの作品をもとに25分のPVを作りました」みたいなことになっていて、ストーリーぶつ切り編集&ヤマなしオチなし。歴史モノにすることでキャラクター説明を省いているのに、メインのオリジナルキャラクター2名の位置づけや掘り下げが浅くて感情移入の間もない。
 薩英戦争で焼け出された孤児が坂本龍馬と出会ってその護衛になり、長崎、京都と連れ添って、最後は龍馬が近江屋事件で暗殺(中岡慎太郎が真犯人という描き方)され、事件を止められなかった土方をRYOが雪中を征く船の中で切り結んで終わり。なお「今ココにいます」という説明は一切無いよ。
 坂本龍馬ほかほとんどのキャラクターは方言なのに、「薩摩から出たことがない」というRYO(白)が全編標準語。同じく薩摩の黒は薩摩ことば。本気の薩摩ことばで喋られたら何言ってるかわかんないけど、それなら龍馬だって大久保さんだって無理に方言にしなくていいです。おりょうさんが酒を飲んで目が据わったり、RYOに猫耳をつけてみたりという小ギャグもいちいち滑ってる。「おふざけもありのシリアス」だってできなくはないけれど、完全に浮いているのは演出の問題でしょ。アニメーターさんには責任はない。
 あと、RYOを演じる悠木碧の声は、さすがに少年には聞こえないですよ。「猫っぽいやつじゃのう」とか言われていたので、龍馬の小姓として連れて行かれた子という意味を込めてるなら、まぁこんなものか……?幕末もまだ衆道が残ってたのは、西郷隆盛の事例とかからも明らかですから。
 脚本は千明孝一綾奈ゆにこ、音響監督などは千明監督が担当している……「LAST EXILE」は奇跡の産物だったんですね、わかりました。綾奈ゆにこは歴代担当作品で1つも「コレだ!」という面白いのがなかったので残念だが当然。

アルヴ・レズル −機械仕掛けの妖精たち−

 ZEXCS制作。ゼクシズにはちょっと半端な萌えアニメの印象があって、吉原達矢監督もこれが初監督作品なので「原作付きだからそれなりになるといいよね〜」ぐらいの気持ちで見たのだが、これはきっと原作がしっかりとした設定を持っている&それを損なうことなくアニメ化している。キャラクターデザインは特に主人公レムの描き方にクセがあるが、女の子の可愛さと体のラインのエロさ具合といったら、肝心なところは描かれていないけれど、描かれていなくてイイと納得できる。まさにこれぞSFの第1話。ネタ的には1クール持つかどうかわかんないけど、とにかく「続きが見たい」と思わせる作品だった。「テレビアニメの宣伝かよ!」というツッコミもあるみたいだけれど、宣伝上等。「龍-RYO-」みたいな一応完結してるけどグダグダよりはよっぽどいい。

デスビリヤード

 マッドハウス制作。25分で完結する短編、パーフェクト。ビリヤード対決自体の緊迫したムードもいいし、そもそもの舞台設定の謎めいた感じもワクワクするし、オチを明かさず最後の瞬間に「ええっ!?」と思わせるようなフックもある。「アニメミライらしい作品」って、こういうことかなと思った。

リトルウィッチアカデミア

 トリガー制作。西川貴教が「これトレーラーですよね、ここから尺が延びますよね」と言ったのがわかる、もっとあっちとかこっちとか膨らませば余裕で映画1本完成するだろうし、そうじゃなくてもテレビシリーズぐらい軽く展開できそうな、ネタの宝庫のような作品。アルヴ・レズル→デスビリヤードでハードルが上がっているのに、トリとして軽々とその上を越えていった。なにがすごいって、全部がすごいよ。粗く例えれば「天元突破グレンラガン」を魔法少女にぶち込んだら、みたいな……。金田伊功リスペクトを極めた作品だと評されるのもわかる。「アニメーションってすごいな」って、わかりやすく感じることができる。