ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

戦場でワルツを(原題:The Waltz with Bashir、2008)

 映画監督アリ・フォルマンはともにレバノン内戦で戦った友人・レオンから当時の悪夢を見ると相談される。フォルマンは自分がその当時の記憶をすっかり忘れ去っていることに気付き、映像作家オリ・シヴァンの助言を受けてかつての戦友たちや、レバノン内戦の当事者たちに取材を行って自分が当時何をしたのかを思い出していく。
 梅田ガーデンシネマにて鑑賞。「どうせガラ空きだろう」と思ったら半分ぐらい埋まっていたけれど、同じように考えた人が多かったのか。
 観客はフォルマンと同じくレバノン内戦のことを何も知らない状態から始まり、彼と同じようにだんだんとどんな戦いが行われたのか、そしてサブラ・シャティーラの虐殺とは何だったのかを知っていくというドキュメンタリー。一番最後にフォルマンは全ての記憶を取り戻し、そこで映像は当時のニュース映像に切り替わるわけだが、その時のショックは大きかった。全編がアニメーションで作られていて、ちょっと現実とは一線を画したような描写が続いてきただけに、今までの夢のような時もすべて現実なのだと突きつけられる気分。ゴールデングローブ賞外国語映画賞などは受賞したそうだが、アカデミー賞外国語映画賞は逃したそうで、もしも受賞していれば「おくりびと」や「スラムドッグ・ミリオネア」のように大劇場でも上映されたかと思うと、実に残念。