ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

カムイ外伝 (2009)

 もう上映からだいぶ経つので被害者が多いかもしれないけれど、こんなものはレンタルDVDか地上波放送待ちで十分です、劇場で見る必要は一切ありません。
 抜け忍・カムイは藩主の馬の足を切り取って逃げる男・半兵衛と出会い興味を持って同道するが、半兵衛に裏切られて嵐の海に突き落とされる。半兵衛が住む奇ヶ島に流れ着いたカムイは、半兵衛やその妻・お鹿、娘・サヤカらと暮らすことになる。お鹿の正体はスガルという抜け忍で、カムイが幼いころ追忍として討伐に失敗した抜け忍だった。
 半兵衛は馬の蹄から疑似餌を作ってそれで釣果を挙げていたのだが、このことをカムイにだけ話し、お鹿の正体もカムイの正体も知った上でカムイに漁師として島で暮らすよう頼む。漁師にはなれないとカムイは島を出ることにするが、カムイが追忍ではないかという疑心を捨てられないスガルが海上でカムイを襲撃してくる。そのころ、半兵衛の娘・サヤカに思いを寄せていた吉人は、半兵衛がサヤカを自分ではなくカムイに与えるつもりであることと、藩主の馬を殺した罪人として半兵衛が手配されていることを知り藩主に情報を流す。結果、半兵衛は連れ去られてしまい、カムイとスガルは半兵衛の救出に向かう。
 半兵衛を救出したカムイたちは幸島というところまで逃げ延びるが、鮫によって漁船が絶滅しているのを発見、カムイたちも危うく狙われたところを渡衆という鮫退治の集団に救われる。大将の不動に気に入られたカムイだが、船を訪れると急に海に投げ込まれ、さらに鉄製の檻に閉じ込められて絶体絶命。なんとか脱出したカムイに、不動は自分たちも抜け忍だと語り、仲を深める。しかし、ある日突然幸島の島民が全滅、カムイは最後の追忍との戦いへ……。
 あらすじを最後のネタバレだけ避けて全部書いてみたけれど、これがペターっと特に山もなく進行するという冗長な展開。半兵衛救出までで1本にするか、あるいは半兵衛と仲を深めるところをもう少し軽くやって後半に重みを置くか、どちらかにしないと120分もたない。カムイは剣術をなかなかよくするんだけれど、忍術自体はそんなに使ってない印象で、これだとカムイである必要が……。白土三平が絶賛したらしいけれど、本当に全編完成したものを見せたんだろうか。監督は崔洋一、脚本は崔と宮藤官九郎なんだが、一体何の仕事したのかと。ちなみに一番ヒドイのはCG。なぜかパンフレットでは結構誇らしげにVFX300カットとか書かれていたりするんだけれど、あらゆる合成がヘボくて泣ける。10年前の映画なら許されただろうし、地上波のスペシャルドラマなら制約もあろうけれど、映画でコレて。松山ケンイチ小林薫は良かったですがね……。