ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

陰陽師Ⅱ

 野村萬斎扮する安倍晴明が非常に妖艶で何やらゾクゾクする映画だった。もちろん、源博雅(伊藤英明)のなんだかボケボケ具合も相変わらずで、そのあたりはとても微笑ましくもちょっとホモスメルの漂う友情がGood。
 ただし、雰囲気を味わう映画としてはそこそこであるものの、ストーリーはちょっとな…と思ってしまう。前半45分の盛り上がりに比べて、後半が実に冗長。須佐を演じる市原隼人の台詞回しがちょっと下手なので、同様になんかたどたどしい日美子役の深田恭子とのやりとりは見ていてちょっと辛い。おおっ、と思ったのは博雅の笛にのせてアメノウズメに扮した晴明が踊るところか。ここの野村萬斎は実に妖しい雰囲気で、引き込まれるものがあった。また、普段の所作での(物を拾うところとか)右手を伸ばしたら自然に左手で右袖をつまんでいたりするところや、晴明と須佐との立ち回りでの腕を大きく使った動きなど、見せ方が綺麗だなぁと思った。ああいうのを見るとあんな服装いいなぁと思ってしまうよね。
 結局、晴明と博雅の断ち切れぬ強い絆(=ガチ)というのは感じたが、それだけだな。中井貴一扮した幻角も悪くはなかったのだが、前作の真田広之に比べるとちょっと小物の感というか、ぱっとしない悪役だったなぁという印象。