ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)は父の共同経営者・ロビンソン氏の夫人(アン・バンクロフト)の誘惑を当初は断るも、やがて流されて関係を持ってしまう。ロビンソン氏の娘・エレイン(キャサリン・ロス)に惹かれたベンジャミンを、「関係を暴露する」と脅し遠ざけようとするロビンソン夫人だが、ベンジャミンは自らその事実を明かし、エレインをいたく傷つける。さらに、ロビンソン夫人が「ベンジャミンにレイプされた」と言いふらしたことでロビンソン氏やエレインとの関係はさらに悪化し、エレインは医学生・カールとの結婚を決めてしまう。ベンジャミンは結婚式の場所を突き止めて、教会に乗り込む。
かの、「結婚式の最中に元彼が現れて花嫁を奪っていく」の元ネタ。そういえばまともに見たことがなかったので、せっかくの2K版で見てみたが、ベンジャミンの優柔不断っぷりや、いざエレインにフラれてからのストーカーっぷりがまぁ見てられないつらさ。これ、当時だとベンジャミンは「わかるわー」ってキャラクターで、あの結末は「なんたる純愛」と受け入れられたんだろうか。それとも、当時でも相当イタいヤツなんだろうか。後者としか思えんものの……。
あと「花嫁を奪っていく」パターン、思いっきり扉をバーンって開けて入ってくるイメージがあるが、ベンジャミンは正面扉が閉まっていたので建物横の階段から2階にあがり、観覧通路みたいんところのガラスをバシバシ叩きながら「エレイン!」って叫ぶんですね。エレインが「ベーーン!」って応えるだけの理由はあるように見えなかったが、「マリッジブルーというやつかな」と納得しておく。置いていかれた医学生のカール、いいヤツっぽいんだけどな。だが、バスに乗ったあとの2人の表情がやや固くなっていくのが、幸せだけじゃない感じで見事。あれは監督がわざとカットの声を遅らせた効果らしい。