スター・ウォーズ続三部作の第二部。毀誉褒貶の激しい作品で、個人的にもよかった!と思う部分がある反面、なぜそうなったと思う部分もあって、手放しに絶賛はできないが、かといってくそみそにけなすのも違うなぁというところではある。「スター・ウォーズ」という大きなシリーズのほぼ結末に近いところでちゃぶ台ひっくり返された感だが、シリーズを知らなければそこまでギャーギャーいうものではないかもしれず……。
個人的に「レイア宇宙遊泳」「ハイパードライブアタック」「リモートルーク」の3点は描写としてどうかと思ったポイント。レイアは演じたキャリー・フィッシャーが撮影後に亡くなり、エピソード9には出られなくなったので、ここで死ぬのもアリか……と思っただけに、指がピクッて動いたときには「なんでや……」と思う罠。フォースは我々の周りに存在し、銀河を1つにまとめる力なので、宇宙遊泳すらも可能にするということなのか。それぐらいのパワーがあれば、ダース・ベイダーにドライブシャフトに投げ込まれた皇帝パルパティーンも生きてるんじゃねーの?
ハイパードライブアタックは初登場の必殺技。解決法はもはやこれしかないというピンチだったし、その描写も圧倒的だったが、今まで帝国側もレジスタンス側もこれやったことないんだろうか。これだけの破壊力とわかっていれば、冒頭の決死の爆撃隊なんて出さずに、老朽化した貨物船とかでハイパードライブアタックぶちかました方がマシじゃない?
リモート・ルークは、エピソード4でのオビ=ワン消滅に重なるかというシーンがあっただけに、「霊体かよ!」って、声に出しかけた。しかし、集中砲火はすり抜けたけれど、カイロ・レンのライトセーバーは受け止められるんだ。現実へ干渉可能なら、集中砲火はおなじみのセーバーさばきで跳ね返して欲しかった。ルークが鉱山基地から一人で出撃したところは「バトルフロントか?ルーク無双か?」と思っただけに、期待しすぎたな……。
なお、フィンとローズが暗号解読のプロを探す、通称「天童よしみの珍道中」パートは、必ずしもヒロイックな行動が成功するわけではないという展開自体は好きだけれど、いろいろガバガバですわな。
これまで活躍してきたアクバー提督がとうとう戦死してしまったとか、ルーク消滅とか、カイロ・レンの闇落ちのとどめはルークのせいとか、衝撃は大きかったが、まぁ……ダークサイドにすら負けないレイというおそらく史上最強であろうジェダイが誕生したので、次の戦いに期待。ところで、ラスボスかと思われたファースト・オーダーの最高指導者スノーク氏がカイロ・レンの裏切りによってあっさり一刀両断にされてしまって、旧体制を破壊したカイロ・レンがトップに立ったけれど、まさか、ジェダイですらなかったフィンをちょっと上回り、ライトセーバーを初めて触ったレイにはあっさり傷をつけられた彼が最後の壁とは思えないので、きっと大仕掛けが残っているんでしょう。