@シネ・リーブル梅田
2008年に公開された「空の境界 第一章 俯瞰風景」を3D化したもの。アバターが公開された当時、「撮影時点から3D化を前提として作っていた」ことが話題になって、そこまでハードル上げて大丈夫かと思っていたら作り込まれた世界にハマってしまう人が続出。3D映画ブームが起きて、これぞ商機と後処理で3D化した映画がぽこぽこ公開され、「タイタンの戦い」みたいにあんまり3Dの旨味のない作品が出てきて、「3Dである必要ってなくね?」と思っていたわけですが、いやいや、制作側にやる気と、それを作りきるだけの時間とお金さえあれば、たとえ後から3D化してもこれだけのものが作れる、ということをわからせる作品になっていたのではなかろうか。
2Dのままでも相当に奥行きを感じる作品だったけれど、巫条ビル上空に飛ぶ霧絵たちを見上げる絵、逆に巫条ビル屋上からいざ飛び降りんとする霧絵を見下ろす絵、とにかく世界が奥に広がっていく。橙子から、霧絵らは浮かんでいる(浮遊)のか飛んでいる(飛行)のかなんて話もあったけれど、3D化でこの映画は本当に俯瞰の絵を手に入れた。ガイドブックでは今後さらにS3D(ステレオスコピック3D)作品を作っていきたいと近藤Pが語ってるけど、それは必ずしも「空の境界の続き」ではないと思うなー。ufotable作品であれば、コヨーテラグタイムショーの第1話、12姉妹降下シーンはS3Dで見てみたくもある。