ヨタ話

無名アニ関民のアニメ&映画ライフログ

Another アナザー (2012)

 テレビアニメの感想はコレ。死者が誰か分かりづらいようにニセモノの声優ページまで作って視聴者を騙した見事な作品で、水島努監督のグロ趣味というか、とにかくヒドイ方向に持っていこうとする作りは「Anotherなら死んでた」という単語もできたレベル。同じ原作の映画であり、先日見た「桐島、部活やめるってよ」でヒロインをやってた橋本愛が見崎鳴役ということもあって見に行ってきた。
 アニメは全12話だったのでOPやEDを抜くとだいたい5時間弱。それを2時間以内に圧縮することになるので、いろいろなキャラクターの個性や細かいエピソードが犠牲に。藤岡未咲についての話は一切出てこなかったし、印象的な死を遂げた高林くん、水着回で死んだ中尾くん、ガラスで首スパーの危機を脱したのにやっぱり死んでしまった綾野さんらはモブ化していて、そもそも「対策係」という存在自体がなくなっている。アニメでは鳴と肩を並べる人気キャラで、最後の死に様が美しいと賞賛された赤沢さんもほぼモブだったし、合宿所の混乱具合もおとなしめ。でも、大きく破綻することはなく収束したんではないかと。
 でも、鳴に見えている“死者の色”の表現が、まるで寄生生物だったのはいただけない。漠然とした色でよかったんではないの?
 アニメとは死ぬメンツが微妙に変わっていて、千曳先生が死んでしまうのはショックだった。しかも、死者として学校に帰ってくるとか……「増えたもう1つの机は職員室だった」パターンとはいえ、担任だとあとから追加された死者って感じがしませんけども。

#12 Stand by oneself -死者-<終>

 混迷の合宿は最終段階。桜木が死んだことを恨み、恒一が死者だと考える風見は女生徒を2人殺害して恒一に迫るが、赤沢によって防がれて殺されてしまう。その赤沢は鳴こそが死者だと考えてつけ狙うが、落雷によるガラスの飛散を全身に浴びて死亡。風見くんがまさかこんなことになるとは思っても見なかったのだが……もし勅使河原が仕掛けていなかったら。テープのおかげで災厄を止める方法はわかったけれど、それゆえに悲劇が拡大した側面も大きい。赤沢さんの死は、あまりにも美しすぎる。手の記憶は、1年半前に出会ったときの記憶。ほんと、ウソでもいいから覚えてたって言ってあげて。こちらも、赤沢さんは恒一のことだけを考えて動いていた部分があって、恒一の立ち回り次第では生き残っていたよなぁと思うと、惜しい人だった。
 そして、とうとう鳴が特定した死者は、三神玲子。このためにわざわざ声優を1人でっちあげて、事務所に偽ページまで作ってたという念の入れよう。こんなメタ部分でバレてちゃしょうがないしね。ここでようやく恒一も1年半前に夜見山に帰ってきていた記憶は玲子の葬式だったと思い出して、「さようなら、おかあさん」。母を早くに亡くした恒一を慈しみ、まるで息子のように接してきた玲子さん、そんな玲子さんを母親かのように慕っていた恒一。そんな人にとどめを刺したなんて記憶、忘れてしまった方が辛くないんじゃない?
 あと、管理人さん夫妻は高林くんの母方の祖父母で、高林くんが死んでから精神が不調だったとのこと。災厄の犠牲者だったというわけです。

#11 Makeup -惨劇-

 望月が対策係に例のテープを聴かせてしまって、おかしくなっていた杉浦さんにトドメ。鳴を狙っての惨劇の幕開けです。鳴が死者なのか疑問を持っていた生徒もいたにはいたけれど、バックドラフトで焼死。ヒドイ。そもそも杉浦の誤解は「見崎鳴」と「藤岡未咲」を混同してしまったことにあって(双子だからしょうがないけど)、序盤はアニメでもここに26年前の死者である夜見山岬を加えて、効果的に使われていたからな。その杉浦が鳴襲撃時に事故で死に、間の悪いところに赤沢さんがやって来て、もうドロドロですよ。鳴は死者じゃないとしても、なんか憑いてる。
 ちなみに、合宿所の管理人のおばちゃんがおかしくなったのはテープの件とは関係ないわけですが……なんなんです?

#10 Glass eye -漆黒-

 15年前に災厄が途中で止まったときと同じように合宿をする3年3組。今になって鳴ちゃんの義眼で死者、あるいは死が近い者が誰かが判別できることが発覚。そのパワーでクラスを助けて欲しいんですが……誰がそのことを信用してくれるのかという話ではある。「ミスト」に出てきた予言者おばちゃんみたいに“死者”狩りが始まったら大変だし。
 ミステリ的には、みんなでこうやって離れた合宿所に集まっているというシチュエーションの方が危険な気がするんですよ。「誰が死者かもわからないのに、一緒になんていられるか!俺は部屋に戻るぞ」ってな。

#09 Body paint -連鎖-

 松永さんが教室に残ったというテープを探しに行ったら、鳴ちゃんがかわいいリアクションを連発したのであった。意味はよく分からない。災厄を止める手段を聞く前にテープが、テープがぁぁぁ!!
 そしてその間に、夜見山を脱出しようとした綾野さんが落石→転落事故コンボ、小椋さんは引きこもりの兄貴が死亡と。毎話誰かが死んでいるのに、実はクラスメイトの犠牲者数だけでみるとわずか4人。不条理な死だとはいえ、1月に1人ペースなら意外と少ない……って思っちゃうのはきっと感覚がマヒしてきているから。

#08 Hair stand -紺碧-

 千曳先生の話では夜見山市から出れば災厄の影響は受けないという話だったのに、夜見山市外へ出たはずの一行から犠牲者が。またこれが溺れる→ボートに巻き込まれてスクリューでズタズタというひどいもので……中尾くん、今回目立ってたから。つまるところ、「夜見山市内」で「3年3組とその縁者」に災厄が降りかかるのではなく、災厄はその他の条件で発動しているというわけですわな。
 災厄から視線を外すと、赤沢さんがわかりやすいぐらいに恒一を意識していたり、出先でまで鳴と会ったり。特に自分のところの車で来ておきながら、勅使河原をハブって自分は恒一のいる車に乗り込む赤沢さんのヒドさったら。

#07 Sphere joint -変調-

 突然の久保寺先生の自殺によって「いないもの」を作ってのおまじないは中止。クラスに一人紛れ込んだ“死者”によって災厄がもたらされているけれど、死者に関する事実は記憶まで改変されてしまうので、終わってみないと誰が死者かは不明なまま。15年前はクラス合宿が行われて災厄が途中でストップしたとか。
 まるで急に赤沢さんがデレた感。久保寺先生が教室で虐殺するものかと思ってしまったので自殺は意外なんだけれど、もっと楽な死に方はいくらでもあろうのに、なぜにあの死に方。水野姉の事故は本人の意思が介在していないからわかるんだけれど……。

#06 Face to face -二人-

 クラスからハブられる2人だけに、そらそう(一緒に行動することに)なるわな。デートシーンも見所だったが、作品的に大事なのは「3年3組の呪い」解説。呪いが及ぶのは二親等まで、そして夜見山市内だけ。クラス分けで3組だと決まったら、とりあえず1年間夜見山市外へ引っ越せばいいわけですね。「村から出ても呪いが発動する」というひぐらしタイプではないらしい。
 そういえば、千曳先生が出してきた過去の名簿、「無知無知で愚者愚者 : 『Another』#06「Face to face -二人-」感想・考察<Bパート>」でも指摘が入ってるけど、「赤沢」の名前は目にとまった。これなら赤沢さんが対策係としてあれだけ力を入れている理由も分かる。

#05 Build limbs -拡散-

 恒一に真実を語ると決めた高林くんが「見崎鳴という子はいるの?」という質問に答えようとしていきなり死亡。恒一も鳴と同じく「いないもの」扱いに突入して、共犯関係みたいなヘンな関係に。
 3年3組で何度も事件が起きている以上、委員長、水野さん、高林くんという今年の3つのケースも偶然ではなく、何らかの現象が発生していると考えることになるのは当然。「対策係」の赤沢さんが何やらピリピリしているのも納得。で、今まで何度も起きていて、対策係がいるのに発生してしまうということは、止める手立てはないということですね?死者は誰?

#04 Put flesh -輪郭-

 死亡フラグをガンガン立てていた看護師の水野さんがやっぱり死んでしまったぁぁぁぁ……。深入りしたら危なそうなのは3年3組じゃないと実感が得られない?恒一と綾野のガラス板の前での会話では間違いなくスパッといくかと。ああいうガラス板を見ると「地獄先生ぬーべー」の人面犬を思い出すんだよなぁ……どんだけトラウマ。同年代〜周辺世代なら同意してくれるよねコレは。

#03 Bone work -骨組-

 このまま不気味な雰囲気を漂わせるだけで話が進むかと思いきや、階段から転落した委員長の喉に傘が突き刺さり、おそらく絶命。
 委員長が階段から落ちたのは、恒一が鳴と一緒に居るところを見たから。鳴は「私のことが見えるのは榊原くんだけ」と言っていて、恒一も鳴は実在しないのではないかと疑っているけれど、人形屋の件は「鳴は人形屋の娘だからお客さんとして数えない」という理由がつくからなあ。病院の方は、亡くなった少女が「マサキだかミサキ」から「ミサキ」と確定しただけで、見崎鳴が亡くなったというところまでたどり着いていないし……。
 勝手にひぐらしおおかみかくしを重ねてしまうが、それとはまた別の可能性もちゃんと考えておかないとなぁ。

#02 Blueprint -思惑-

 恒一に大事な事実が明かされないままで、赤沢さんもそのことに怒りつつも、やっぱり教えてくれないという……。相変わらずイヤホン付けて見ているので、人形屋のシーンは本当に不気味だった。眼帯外しちゃうんだ?あの看護婦さんに死亡フラグを感じるけれど、これって過去の事件以外に人が死ぬような作品なのかどうなのかわからず、ひたすら不安。

#01 Rough sketch -素描-

 ピーエーワークスの期待の新作であり、原作が綾辻行人と当たりそうな感じなのに、第1話を見ての印象は「おおかみかくし」。ただ主人公がもともとここに住んでいた経験があるっぽい感じからするとむしろ「ひぐらしのなく頃に」か。「地元の因習を知らない転校生」というネタは被ってもしょうがないよね。
 原作小説が文庫で2冊なのでアニメは1クールだと思われるが、アニメ終了後、初夏には実写映画が公開されるらしい。やめておいた方が良さそうな気がするんだけれど。